第3話「やりたいこととやらないといけないことを整理する」


うつになりやすい人は

人一倍、向上心が強く、

高い目標をもっていたり、

頑張り屋なため、


次はこれ、それが出来たらこれ、その次にこれ・・・と、

頭の中で常に

 

ToDo(やること)リストがびっちり詰まって

 

いる人が多いようです。



これは強い熱意や向上心がそうさせるのですが・・・



私たちの脳は、

実際に行動することよりも

考えたり

覚えておくこと(記憶)に

より多くのエネルギーを消費するように思われます。


うつになりやすい人は

何か実際に行っている最中にも、

頭の中で次のこと、その次のこと、と 

 

先のことを考えてしまって、

 


今していることに集中できず、

ミスが増えたり、

十分に成果をあげられなくなりがちです。



頭の中で繰り返し、

 

やらないといけないことを考えて疲れ、


その疲れから、

思い通りに仕事を進めることができなくなり、

 

今きちんとしていることがあっても

 

それを自分で評価できず

 

常にできていないこと

 

これからすべきことばかりに焦って

 

人参を目の前にぶら下げられた馬のように

 


何も得えることなく

 

走り続けて消耗してしまう。

 

やらないといけないことを、

 

頭に抱えておくと、

 

忘れないように、何度もそれを想起します。

 

それだけで記憶に脳はエネルギーを消費しますし、

 

さらに、

 

やらないといけないことを

 

考えるだけで、

 

脳には、それをした時と同じ疲労感を

 

体に感じさせる能力があるのです。

 

なので、

 

頭で考えるだけで疲れてしまい、

 

実際にそれらを行うエネルギーがないため、

 

実際の行動により結びつきにくくなります。

 

 


すると今度は、

 

うまく出来ない自分をダメな奴だと責めたり、


このままで自分の目標は実現できるのだろうか?

と不安になったり、


一方で、

社会生活を順調に送っているように見える友人や同僚

テレビなどで取り上げられる成功者を見て

 

嫉妬や羨望を覚えたり、

自己卑下や劣等感を感じて

落ち込んでいってしまうのです。


それだけにとどまらず、

この自分へのきびしさは人にも向けられます。



職場などで、

 

うまく仕事ができない人や

 

ゆったりマイペースに生きている人をみると、

「なんでこんなこともできないの?」

 

「人のことも考えなさいよ!」

 

というように

人に対しても


イライラしたり、

 

腹を立てたりするようになります。

 


そして、人を否定するからには、

自分が同じ失敗をするわけにいかず、


自分に対するハードルがどんどん上がり、

さらに自分に厳しい生き方に向かってしまう悪循環・・・

読んでいるだけで疲れてしまう生き方に陥ってしまうのです。


あなたも同じような経験がありませんか?(ない人は大丈夫!!)

 

 

 

もしあるならお勧めのワークがあります。


まずご自身の頭の中にある

「やらないといけないこと」を

紙に書き出してみてください。

 



結構いっぱいありませんか?


では、その中から

 

本当に今日中にしておかないと

 

生活に支障をきたすものを選びます。

 


たとえば締切がなかったり、

 

生活を維持するために重要でないことは

 

 

実は「やらないといけないこと」でなく

「やりたいこと」なんです。

 



「やりたいこと」は

いつか時間に余裕ができたとき、

 

エネルギーがある時にすればいいと

 

安心してメモと頭から消してしまいましょう。

 



本当に今すぐにでもしないと生活していけない!ってことは、

 

実はそれほど多くないはず。 



このように、

やらないといけないことが思いついたら

 

すぐにメモに書き出し、

記憶に使うエネルギーをセーブすることで

実際に行動するエネルギーが出るようになり、

 


やらないといけないことを

 

一つ一つ片付けていくごとに

 

達成感とともに頭がすっきりし

 

 

人生が好転して行きます。

 

 

 


あなたのリストの中に

 

やらないと明日にでも死んでしまうかもしれない!ってほど

 

重要なことってありますか?



実は、

 

うつの時にやらないといけないことは、たった一つ

「休む」ことです。それも積極的に。


うつを、

 

たとえば富士山に登る途中の休息、

もしくは

長い旅路やサッカーのハーフタイムのように考えてみてください。


前半にがんばりすぎて心身ともにかなり疲れてしまっています。


この休息中にも、

このやらないといけないことを繰り返し考えて疲れたり、

前半にできなかったことについて

 

自分を責める思いで神経をすり減らしてしまうとしたら

後半戦を良いコンディションで挑めるわけがないでしょう。


うつになってしまった人は

 

今のままで

 

もう十分にがんばってきたということを

しっかりと理解してください。

頭の中の思考はこれだけにしてください。

<<自分はもう十分にがんばっている!>>

<<今は休むことが仕事!>>

 

頭の中が、自分を責める声や、やらないといけないことで

 

ぐるぐるして辛いという方には

 

仏ホメ坐禅会もおススメいたします。

 

 

⇒第4話「抑えた感情はどこにいく?」